トホタキ ~滝壺男はビールクズ

徒歩と公共交通機関で巡る日本の滝100選

滝百選との馴れ初め

「日本三大瀑布(ばくふ)って知ってる?」そう言ったのは確か会社の同期でした。
幕府に三大なんてあったっけ??という渾身の解釈誤りをしたかどうかは忘れたけれども、瀑布(=滝)なんて言葉、普通に暮らしてたらまず聞かないじゃん。そいつが言うには、日本に数ある滝のうち最も有名な、栃木の華厳の滝、和歌山の那智の滝、茨城の袋田の滝を三大瀑布とか三大名瀑と呼ぶそうで、滝に1㍉も興味の無かった当時の自分にとっては、どれも初めて聞くものばかり。
「その3つの滝は全部行ったけどどれも良かったよ、ぜひ今度行ってみたら」と、次の夏休みはどう過ごそうか~なんて他愛もない会話のなかで薦められたのが10年前。

へー、そういう滝があるのか、暑い夏に涼を取るにはいいかもね、そうやって汗をかいた後のビールはさぞかし美味いだろう、と最初は些細な興味しかなかったのですが、それでも何か琴線に触れたような記憶があります。
上京して1年、ようやく東京の暮らしにも慣れてきた頃。とは言え、これといった趣味もなく、日々の仕事に忙殺される毎日。ちょっくら遠出して、都会の喧騒から抜け出してリフレッシュしてきますか! と思い立ち、暇をしていた友人を誘って、ほどよい田舎感の漂う、茨城は袋田の滝へ向かうのでした。

そんな軽い気持ちで訪れた袋田の滝。もうね、めっちゃ良かった。もう一目見た瞬間にビビっときて、こんなスゲー滝が他にもあるなら、三大瀑布の残りも行かねば! でも和歌山は遠くて行きにくいし、っていうか有名な日本の滝って何がどれくらいあるの? ググってみよ。
日本の滝百選ってのがあるのか! 全国各地の有名どころが揃ったこれなら、どれも素晴らしいものに違いないよね。それじゃ、まずは近場の滝から回っていこうかしら。

そして始まった、本格的な滝巡り。最初から100ヶ所全部を制覇しようとは到底考えていなかったけど、まぁどうせ休みの日はヒマだし、出不精の自分が日本全国を旅する理由付けにはなるかなとコツコツ続けていくうちに、気がつけばいつの間にか93もの滝を訪れていました。
そんなことで、滝巡りは名実ともに自分の趣味となり、ことあるごとにそんな話をしていたのですが、あるとき身内に言われたのです。「結構な数を回っているし、せっかくならブログで体験談の公開でもしてみたら? っていうか、自動車を一切使わずに徒歩と電車バスだけでそんな頭おかしいことしてるの、たぶん他にいないよ」

そこまで持ち上げてくれるならやるしかないやんけ! ということで始めてみます滝ブログ。
過去の訪問記録を振り返りつつ、残り7つの滝百選を巡るときには、その様子も綴って行けたらよいなと。まぁそのうち3つくらいは滝を拝むのも命がけな秘境にあるらしく、ぶっちゃけ行くかどうか迷っているのですが、ここまで来たら百選を踏破したいとは思っているので、このブログを続けていくなかでモチベーションを高めつつ自ら退路を断っていきたい。

滝の写真って撮るのが難しいのよね