トホタキ ~滝壺男はビールクズ

徒歩と公共交通機関で巡る日本の滝100選

【滝百選】華厳の滝 訪問記録② ~喧嘩は旅の常

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滝入口~滝


早くも滝が見えてきましたよ

東武日光駅を出たバスは、中禅寺湖のバスターミナルに到着。バスを降りて少し歩き、華厳の滝の駐車場に到着したのが10:15ころ。うっすら雨のせいか、人も車もまだまばら。
さっそく入場してもよかったのですが、有料の観瀑台じゃなくても滝は見えるということで、ちょっくら覗いてみることにしたのが、↑の写真。ちょうど斜め上から見下ろす感じで、少し距離はあるけど、さすがにこの滝の規模だとそんなの関係なしに迫力出ていますね。ぶっちゃけ、そんなに滝に強い興味がなければ充分満足できてしまうほどだけど、これは滝巡りの旅、可能な限り近くで観に行きます。

土産屋や出店で賑わう滝付近

華厳の滝の観瀑台は、入場料(570円)を払って中に入ると、エレベータで下って滝の下流近くまで降りられます。滝壺までは近づけないけど、滝の真正面から滝全体を見上げられる絶好のポジション。お土産屋も併設されているし、スペースも広めなので、ゆっくり時間をかけて滝見をできるでしょう。

霧雨か滝の飛沫か、霞がかかる滝

これが華厳の滝 落差、水量、形状、まさにこれぞ大滝といった風貌。特に水量については、ちょうど雨が降っていたということもあり普段より多めなのか、とにかく荒々しい印象を受けました。あいにくの雨なので滝の姿が少しぼやけていますが、これはこれで雰囲気出ていたかも。
なるほど…これが…日本三大名瀑ね…。なんかものたりねーな??という素直な感想を抱いてしまったのは、やはり前回の袋田の滝に心が囚われていたからか。 だってだって袋田の滝ってマジで滝の目の前で観瀑できるじゃん。華厳の滝は、それと比べると全然遠すぎるんよ!! いやね、近くで見ることだけが観瀑の良さではないし、少し引いて滝周辺の岩壁とあわせて景観を楽しむのも魅力なんだけど、唯一の比較対象が袋田の滝だけなもんだから、第一印象が「なんか遠くね」になってしまったんですよね。


友人ズ。最近はサッパリ連絡とってないけど元気かな

それが当時の感想だったんだけど、滝百選を一通り回ったいま思うのは、こんな最高なロケーションで物足りないとか贅沢言ってんじゃねーよこのボケ!! アホ!! ビールクズ!!ですね。滝と観瀑台の距離はおよぞ100m、これを遠いと思うか近いと思うかは人それぞれですが、そもそも綺麗な観瀑台が整備されている時点で百選の上澄みだし、そこで視界一面に滝を捉えられることがどんなに幸せなことか。遠望スポットなのに米粒くらいしか滝を視認できないことだってあるんですよ(八草の滝とか)。こうやって良くも悪くも感想がガラリと変わるのは、やはり滝巡りを繰り返してきたからこそで、我ながら感慨深いです。
ちなみに、この5年後、別の友人と改めて華厳の滝を訪れました(そのときは自動車で)。そのときの写真がこちら。


あれ、なんかめっちゃいいな?? 写真の画質の問題か、天気の違いか、なんにせよ初回に感じたもどかしさは一切なく、ただ単純に感動したことを覚えています。このときは滝百選も70くらい回っていた頃だったので、色んな意味で目が肥えていたのかも。うん、やっぱり華厳の滝は紛うことなき日本三大名瀑です。

ごはんとビール

という後年に抱いた感想はさておき、当時の滝ビギナー3人は「いやー普通にすごかったねー」という小学生並みの感想にて滝巡りが完了、腹ごしらえに移ります。ちゃんと探せば、有名な店や変わったものを出すお店もあったかもですが、天気も悪かったしそんなに歩けなかったので、近くにあった食堂に適当に突入。
前回に続き、また蕎麦とイワナ(鮎じゃなかった)の塩焼きを注文(今回は温蕎麦だけど)。なんで蕎麦を頼んだのかさっぱり忘れちゃったけど、あまりメニューが多くなかったのか、なんか消極的な理由で選んだことをうっすら覚えています。



ご尊顔

温蕎麦は…普通の味でした。いま見ると盛り付けもだいぶ適当感でいっぱい。でも、瓶ビールはいつでもどこでもンマイ。関東だとサッポロ扱っているお店って多くないイメージだから、みかけると頼んじゃう。

周辺観光

ごはんを食べ終わったのが12時過ぎくらい。早起き疲れと満腹感で、早くも家に帰りたい欲が出てきたけれども、ようやく空が晴れてきたので、周辺を散策。中禅寺に中禅寺湖。貸しボートにでも乗ろうかとも思ったけど、男3人だとろくな絵面にならないなということでスルー。いや学生時代なら乗ってたけど、俺たちもういい大人だからさ…。運動不足で漕ぎボートだと軽く死ねる。



まだ9月にもなっていないのに、赤とんぼが大量発

滝巡りをしていると、このような神社仏閣や城跡にも訪れることが多いんだけど、悲しいかな、自分は歴史に全然興味がなくて、情緒を感じるので精いっぱい。せっかく日本全国を回るんだったら、もっと滝以外にも興味を持てていればより良い旅になったのかなと、少しだけ後悔しています。まぁ栃木日光とか関東圏はいつでも再訪問できるんだけどね。せっかく和歌山まで行って那智の滝を見たのに那智大社に寄らなかった無礼者は絶対に自分だけだろという絶対の自信がある。マジで何考えてたの当時の自分…。

帰宅

中禅寺湖を一通り散策し、そろそろかしらね、ということで帰路へ着きます。来た道を来た乗り物で、寄り道せずに。帰りに日光東照宮でも寄って行こうかとも最初は考えていたけど、バス席の座り心地の良さでみんな眠気が爆発し、お開きの流れ。いろは坂の下りで、野生の鹿が見送ってくれたときだけ一瞬 目を覚ましました。バスの運転手さんが教えてくれたんだよね。
JR日光駅で電車に乗り込んだのが14:30くらい。自宅の最寄り駅に着いたのは17:00ころ。翌日に疲れが残らない時間に帰宅する、これぞ余裕ある大人の旅ですな。ちなみに翌日は日曜日で、出社日でも何でもないやつ。

旅の思い出

旅に出ると気持ちが浮付くのか、口が軽くなって普段は言わないこと言っちゃうよね。そして思わぬ口喧嘩に発展してしまうこともあるよね…。今回の旅にも、そんな一面がありました。いまとなっては喧嘩の理由が何だったか思い出せないなんてことはなくハッキリと覚えているんだけど、なんでそれでケンカになっちゃったんだろ?っていう些細な冗談がきっかけ。2人のケンカだったので、残ったひとりが絶妙に気まずそうだったのが、今でも不憫で面白くて申し訳なくて。駅で解散するときにはキレイさっぱり和解していたんだけど、あとになってこのメンバで集まると、いつも「そういや日光に旅行したとき、俺たち謎にケンカしたよね」と笑い話的に振り返ります。実際、滝よりもそのケンカした記憶の方が強烈に残っているんだけど、そんな旅の思い出があってもいいじゃない。